白釉湯のみ



●解説
今回の冒頭はいつもと趣向を変えて、当教室の主宰者である私こと磯田行雲の作った品々を解説してみましょう。

まず1点目。定番の湯のみです。
教室の贈答配布用に作ったものなので、教室の名入れがしてあります。

名入れの鉄絵の発色がイマイチですね。
鉄絵が薄かったのでしょう。発色に渋味が出ていないです。
鉄絵の濃さは焼いてみないと解らないことが多いので、描く前によく混ぜて、試し描きで絵の具の伸び具合を試してみるのがいいでしょう。


土は赤土7に白土3の割合で混ぜ合わせたもの。
軽く混ぜた後で、ロクロに据えて土ころしをすると、刷毛目のような風合いが出ます。
もう少し白土の割合を増やしてもよさそうですね。
このあたりは好みの分かれるところでしょう。

釉薬は白釉をやや薄めに掛けてみました。
造形はまずまず。質感はそれなりといったところ。
窯ものの量産品としては通用する仕上がりですが、個展ものとしては今ひとつパンチに欠けますね。


白釉湯のみ


さて2点目。
これも湯のみですが、土は赤の荒土。釉薬は白釉。
こちらは鉄絵の発色良し。きれいに銀化しています。
釉薬の質感もまずまずでしょう。
薄めにかかったところは素地の鉄分がきれいに発色して焦げ目を作ってくれます。

造形については、左右ともにロクロ目がややうるさい。
左の湯のみは形はまずまずですが、右の湯のみはきれいに作り過ぎです。
これだと手作りの良さが出てないですね。


高台部はやや大きめに削っています。
もうちょい小さめの方が全体的なバランスはいいのですが、今回は配布用なので、どっしりとした感じに仕上げてみました。

こうして見ると、あまり端正にひき過ぎるのも考えもので、やや緩めに作った方が作品自体にあたたかみが出てきますね。
ロクロの仕上げに回転を落として、やや遊び心を入れれば面白い作品になりそうです。


灰釉小鉢


最後にもうひとつ。
こちらは会員さんが作ったもので、素焼きの時点で焼かない器としてはじかれたものです。
形がきれいだったので、私が灰釉を掛けて焼いてみました。
灰釉の鉄分が多かったのでしょう。釉薬のたまった中側は焦げ目が出ています。


高台部は施釉の時に多少流れたのですが、
きれいに流れたので、拭かずにそのまま焼き上げました。
結果として、まずまずといったところでしょう。
これらの湯のみや小鉢などは、全て教室で使っている土なので、同じような風合いで作ることは可能です。
会員の方々も日々の練習を積んで腕を上げていってください。

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ここからは会員さんの作品です。

白ご飯茶碗



●講評
白土で焼かれたご飯茶碗です。釉薬はシンプルに透明釉でしょうか。
転写の絵柄がきれいですね。
白の素朴さの中に、キリっとひきたつ存在感があり、見る人の目を和ませてくれます。