※ YouTubeにて
陶芸屋コウウンチャンネル by陶八さん を絶賛放映中!
チャンネル登録もよろしくお願いします。
**********************
前略 行雲(コウウン)より。
NHK朝ドラでの陶芸の「スカーレット」がそろそろ終盤に差し掛かってきましたね。
最初の頃はあまり真剣に見てなかったのですが、最近は結構まじまじと見てしまいます。
今月で終わりでしたかね。
見始めた頃に終わってしまうという。
もうちょっと続けて欲しいですが、残念ですねえ。
最後をどう締めくくるのかが楽しみです。
板作り・たたら作りでの成型方法
陶芸での板作り・たたら作りの方法です。
まず固めの粘土を用意します。
柔らかい粘土しかない場合は、切ってから、やや乾燥させれば大丈夫です。
粘土を平らに叩いて広げます。
今回は土練機から出た土をそのまま切っています。
この粘土を薄くスライスしていくのですが、使う道具はしっぴきの針金バージョン。
あとは、たたら板と呼ばれろもので、これらは市販されています。
板の厚さは5ミリと7ミリがあるので、両方揃えておくといいでしょう。
使い方は簡単。
広げた粘土の横にたたら板を置いて、上記の切る道具で切っていきます。
この時に親指を針金の上に置いて、更にたたら板の上に親指を置き、遠くから手前にスライスします。
たたら板が一緒に滑ってくる場合があるので、自分の太ももの所で板をロックしておきましょう。
一度切ったら板を横にどけて、下の粘土を切っていきます。
これを底まで繰り返しましょう。
広げた粘土の大きさにもよりますが、概ね一回の作業で4、5枚は取れるでしょう。
取った薄い粘土は、別の板の上に乗せて、少し乾燥させましょう。
ただ、作業を急いでいる時は、そんな時間も無いので、ドライヤーなどで乾かしましょう。
それらが面倒な時は、天日に置けば、すぐに頃合いのいい固さになります。
この粘土を型にのせましょう。
そのまま乗せると粘土が型にくっついてしまうので、間に手ぬぐいをはさみます。
型に沿って粘土を成型したら、置き板に載せ替えます。
粘土がくずれないように、粘土と板の間にマクラをかまします。
板をひっくり返して出来上がり。
この方法で、どんどん量産していきましょう。
型を変えれば、いろんな形の器ができます。
楽しいですよ。
板作り・たたら作りの特徴
板作り・たたらの特徴としては、ロクロにはない形状を作るのに適しています。
ロクロだといわゆる円状のものは得意なのですが、四角だったり三角だったり、扇型なとは、たたらで作った方が楽にできます。
(ロクロでも作れないことはないです。切ったり歪めたりすれば可能)
また板作りは失敗が少ないので、その気になると量産が可能です。
ロクロは失敗なく数を引くのは大変ですが、板作りなら経験がなくても、すぐに形になる作品を作ることができます。
ある意味、手びねり、板作り・たたら、ロクロなどの代表的な陶芸の成型技法の中では、一番早く習得可能かと思います。
(極めるのとは違います。あくまでも普通レベルでの習得です)
さて、それらを踏まえた上で、いろいろな作品を見てみましょう。
板作り・たたら作りの代表選手は角皿
まずはこちら。
黒天目系の釉薬で焼かれた板皿です。
たたらで粘土から切り取った後に、マクラを入れて形を整えたものです。
不規則な形がいいですね。
釉薬も黒天目系の色合いがハッキリと出ていて光沢感もあり、素敵に焼きあがっていますね。
角型のお皿に関しては、板作り・たたら成型は非常に適しています。
角型の型紙さえ用意してしまえば、あとはその型に沿って作品を切っていけばいい。簡単ですね。
切った後は、オリジナルのイメージでマクラをかまして成型しましょう。
重なりを重視するのなら、4辺をそれぞれ均一に上げた方がいいです。
ただ、それだと面白みには欠けますね。
個性を出すのなら、作品それぞれに変化を付けてマクラをかましてください。
一方だけ上げたり、下げたり。何をするのもあなたの感性次第です。
名デザインを作ってみてください。
箸置きもできます
さて、お次はこちら。
シンプルですけど、織部で焼かれた箸置きです。
織部というのは緑色の釉薬で織部釉と呼ばれるものです。
斬新なデザインなどは織部で焼くと全体的に合いますね。
この箸置きのような箱っぽい作りも、板作り・たたら作りでの成型が適しています。
ロクロだとここまで角を取れませんね。
たたらでそれぞれのパーツを切り取って、少し固めてからドベでくっつけていきます。
ちなみにドベとは、粘土を水でゆるく溶いたもの。ロクロを挽いたときに出るアレです。
このドベは土と土をくっつける接着剤のような役割もするので、例えばコーヒーカップの取っ手を付ける時などはドベを使ってくっつけます。
この作品の場合は、箱の面通しをくっつけていますね。
板作り・たたら成型でぜひ作ってみてください。
板作り・たたら作りでのコーヒーカップ
お次はこちら。
ちょっと変わった感じのコーヒーカップですね。これも板作り・たたら作りなんですね。
取っ手からボディは一枚の薄い板状粘土です。
底の部分は別に作って、やはりドベでくっつけます。
水漏れしないように、念入りにくっつけましょう。
ちょいとシャレた感じのカップの出来上がりです。
白釉で焼かれた大鉢
最後はこちら。
白釉で焼かれた大鉢ですかね。
これの底に水抜きの穴を開ければ、植木鉢にもちょうどいい大きさです。
板作り・たたら作りで薄く板状に粘土をカットして、丸っぽい型に上からかぶせます。
重力の影響で縁が下がりますので、お好みで歪めてください。
これ系の形はロクロでも可能ですが、歪み具合は真似が難しいですね。
それとロクロの場合は削りの工程が入るので、一手間余計に時間がかかります。
板作り・たたら作りなら、その日に完成までもっていけるので、時短にはちょうどいいでしょう。
ぜひ作ってみてください。
さて、こんな感じで板作り・たたら作りを楽しんでみてください。
ロクロではできないアジや形状が可能になります。
極めると面白いですよ。ぜひチャレンジを!
******
ツイッターもやってます。↓
Tweet
陶芸体験なら
陶芸教室 陶八さん
陶芸体験の詳しくはこちら。
定期的にやりたい方はこちら。
陶芸会員さんも募集中
詳しくはこちらから。
※ YouTubeにて
陶芸屋コウウンチャンネル by陶八さん を絶賛放映中!
チャンネル登録もよろしくお願いします。