陶芸家の植木鉢の作り方

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陶芸家の植木鉢の作り方はこうだ

さて、冒頭のタイトルを読んで、おっ、何か特別なテクニックがあるのでは?
と思った方もいるだろう。

初めに答えを書いておく。植木鉢だろうが、食器だろうが、茶器だろうが、特別なテクニックなど存在しない。

土をこね、ロクロを回し、素焼きをして、釉薬を掛ける。
後は窯に入れて焼くだけ。

これだけの話だ。

てことは、陶芸の技術さえしっかりと学べば、植木鉢だろが、食器だろうが、何でも作れる。
あえて特別なテクニックなどないのである。

はい、ではお終い。本日の書き物はここまでです。

と、言いたいところだが、そんな中でも植木鉢の特徴を生かした作り方があるはずだ。
今回はそこを書いていこう。

植木鉢と食器の違い

まず、植木鉢と食器の違いは、「土を直接入れる」という点だ。

食器は肉、野菜、炒め物などいろんなものを入れる前提で作るので、器が汚れないように、内側に釉薬を掛ける。

ところが、内側に釉薬がかかって、水分を吸収しないようにすると、植物のような生き物には不都合になるのだ。

我々生き物は呼吸をし、水分を取り、水分を発散させている。
植物も然りだ。

てことは、土が呼吸をしたり、水分を吸収発散させるのを邪魔をしてはならない。

そう、器の内側には極力、釉薬を掛けない方がいいということになる。

また、土に入った余分な水分を逃すため、底に穴を開ける。

この2点さえ守れば、あとは陶芸の技法通りに作ればよい。

植木鉢が食器よりも作りやすいところは、厚く作れるところ。

食器は手に持つのを前提に作るので、なるべく軽くしたい。
しかしだからといって薄すぎてもいけない。理由は割れやすくなるからだ。

手に持って軽く、割れづらい器。これが食器の大前提になる。

一方、植木鉢は手に持って使うものではない。
まして、土を結構な量で入れる鉢もある。

割れづらく、なおかつ外に置くことが多いので、厚みをしっかりと取って、ある程度の重量を付けてあげる。

陶芸をやったことのある人ならわかるが、薄く作るのは結構大変で、厚く作っていいのなら、意外と簡単に作れるものだ。

なので、植木鉢は比較的大きめで厚く作れる分、技法としては簡単な部類に入るだろう。

ここで断っておくが、私は植木鉢の専門作家ではない。
盆栽鉢の専門作家でもない。

なので、この手の専門作家がこれを読んだら、何を甘っちょろいことを言ってるんだと、お叱りを受けるかも知れない。

しかし、私の今までの経験上、陶芸品のくくりで植木鉢を捉えたら、簡単に作れる部類に入る。

それでも納得できない方は数少ないだろうが、そういう方は専門作家の門戸を叩いて欲しい。

なにか、特別な技術があるのかも知れない。
それは私にはわからない。

植木鉢の造形を真似てみる

さて、造形に関しては、いろんな種類の植木鉢が出ているので、それらをよく見て、特徴を頭に叩き込む。

いいなとか、使ってみたいなという植木鉢にはそれなりの特徴があるものだ。
形、風合い、色、手触り。

それらをしっかりと頭に入れて、まずはそれに近いものを作ってみる。
そう、真似をするのだ。

最初は造形を真似てみる。理由は一番入りやすいからだ。

風合いや色などを真似るのは難しい。
使っている土、焼き方がわからないので、同じものを再現するのは至難の技だ。

しかし、造形に関しては真似やすい。

形を似せて違う土、焼き方で焼く。
完成したら、少しアレンジしていく。

これを繰り返して、5、6回焼けば、かなりのオリジナルの作品ができるだろう。

焼く回数は多ければ多いほど、作品が洗練されていく。

しかし、どこかでけじめをつけないと、永遠にその作品から離れられないので、見切りをつけるのも大事である。

こうして得た造形のパターンは多いほど、作家のバリエーションは増える。

いろんな種類の植木鉢を真似て作って、腕を上げていけばいいのである。

植木鉢の作り方はロクロ、たたらなど全てやってみる

作り方で言えば、ロクロを使うか、タタラでいくか、型の成型でいくかなど、いろんな方法がある。

これに関しては、「全ての方法でやってみる」。
これが一番手取り早い。

考えるのは全てやってからでいい。

頭でいくら考えても、実際に手を使って作ってみた方が吸収は早いもの。
やりながら考える。これが陶芸の技術で言えば、一番成長が早い。

あれこれ考えて作れないなら、まずは適当な器や鉢を真似て作ればいい。

そこからアレンジしていけばいい。それだけのことだ。

閑話休題 作家と呼ばれる人たちの共通点とは

ここで話はそれるが、世にいう「作家」という商売についている人たちがいるだろう。

小説家、画家、絵本作家、陶芸作家など。創作で生業をしている者たちだ。

彼ら彼女らに共通しているもの。
それは何か。

「あきらめなかった人たち」ってことだ。

何かを作り出す時に、往々にして挫折することがある。
体の不調だったり、仕事だったり、資金の問題だったり。

しかし、彼ら彼女らは、その道程を乗り越えていった人たちだということだ。

物事を極めろとまでは言わないが、超上級レベルになるには「あきらめない」というのが大前提になる。

「納得するまであきらめるな。」
世の若手たちにこの言葉を贈ろう。

まとめ

さて、まとめてみよう。

植木鉢を作るには2点の原則を守って、あとは陶芸の技法通りに作ればよい。

あれこれ考える前に、まずはいいものを見つけて、真似して作ってみる。
その作品を少しづつアレンジしていく。

さすれば、数年後にはあなたも一流?の作品が作れるだろう。

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編集後記

前略 行雲より。

大きめのジーンズを買ったので、ベルトが必要とのことで、ワークマンなるものに行ってきた。
なんでも今流行りのカジュアル用品にシフトしている最中のようで。

しかし、我々作業服世代には、ワークマンと言えば、ガチガチの男気作業服のイメージですよね。

それでいいんじゃないですかね。男気ガチガチで。
なんでわざわざカジュアル路線、お姉さんも着れます路線にシフトするのだろう。

男気ガチガチ作業服だからの良さってありますよ。
女性にウケる服を狙うなら、ワークマンのブランド名は要らないでしょう。

ドコモがahamoってなブランド作ったように、別名の名前で展開してほしいですねえ。

ワークマンに加盟したフランチャイズのスタッフもホンマかいなって感じではないでしょうか。
いまさらユニクロ真似たところで、どうなんかいなと。

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