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陶芸で作られる茶道の抹茶碗といえば、大きく分けて三つに分けられます。
一つは楽茶碗、二つ目は唐物茶碗、そして三つ目が和物茶碗です
今回はこの代表的な茶碗のうち、楽茶碗の作り方をご紹介しましょう
楽茶碗の作り方
まず楽茶碗ですが、基本的には電動ろくろを使わずに、手びねり(手づくね)で成形していきます。
初代、楽長次郎さんの時代は、ロクロといった類のものも一切使わなかったと聞いています。
今の時代ですと、普通の手回しロクロで作っているようです。
まず成型方法ですが、土を団子状にして親指を入れて作っていく方法が一つ。
もう一つは土を円盤状にして、縁を少しずつ上げていって、茶碗状にしていくやり方が一つ。
昔第15代の楽吉左衛門さんが、NHKの番組で茶碗を制作しているところを見たことがあります。
その時は円盤状にした土の縁を少しずつ上げていく技法を取っていました。
ウチでも手びねりで抹茶碗を作る時は、この方法で成型します。
円盤状にして縁を上げていく技法の方が、大きな茶碗を作りやすいですね。
逆に団子状にして親指を入れて成型する方法は、小さなぐい呑みとか湯のみなんかは作りやすいです。
どちらの方法を取るかは、作り手個人の自由でよろしいかと思います。
さて、円満上にして抹茶碗を少しずつ成型していくと、最後に削りの作業が残っています。
削りに関しては電動ろくろなんかだと、高台を中心に削っていくのですが、
手びねりで作られた抹茶碗は、高台はもとより、茶碗の内側も削っていく方法をとります。
手びねりをやられた方なら分かるのですが、あまり薄く作ると形を整えづらいんですよね。
なので厚めに茶碗を作って、後で削っていくという方法がよろしいかと思います。
高台の外側、内側を少しずつ削っていく。
まさに一個の茶碗を、手で少しずつ成型していくという、
茶碗に魂を込めながら作っていくといった感じになります。
電動ろくろだと簡単に茶碗をひけてしまうので、
10や20個の抹茶碗など、あっという間にできてしまいます。
ところが手びねりはそうはいきません。
ひとつの茶碗を何時間、何日もかけて成型していくのです。
できた茶碗に愛着が湧くのも、当然と言えば当然でしょう。
楽茶碗の釉薬は独特
さて、こうしてできた茶碗に、今度は素焼きして釉薬をかけていく訳ですが、
楽茶碗は比較的低い温度で焼かれるので、釉薬も低火度で焼けるやつを選ぶわけです。
そうですね、大体1180度から1200度位で溶けるやつでしょうか。
通常の釉薬が大体1230度から1250度オーバーぐらいで溶けるので、
結構低い温度っていうことになります。
かつては、京都の加茂川石を砕いたものを使っていたと聞いていますが、
今は原料に近いものを選択して焼いているかと思います。
(これは推測、未確認です。楽焼用の釉薬も市販されていますが、本物とは違いますね)
楽焼の焼成は炭とフイゴを使う
焼成は炭を燃料にして、サヤの中に茶碗を入れて、
フイゴで吹きながら炎の温度を上げていく技法をとります。
サヤのフタを開けて、鉄の火ばさみで茶碗をつかんで出し入れする。
すべて1個づつ焼いていく。
今の窯のように、一度に大量を焼かない。
まさに茶碗に命を込めて焼き上げていくといった感じでしょうか。
この楽茶碗独特の焼き方もある一方で、現代の焼成方法は、
焼貫茶碗のようなものもあります。
これは多分1250度以上の高温度で焼いているのでしょう。
発色が高火度焼成のものに近いですね。
さて、こうして完成した楽茶碗は、ロクロ目のない、手で作ったゴツゴツ感が味わいとなる、独特な茶碗に仕上がるのです。
(俺はこの手びねりの雰囲気が大好きなんだなあ)
楽茶碗の作り方のまとめ
楽茶碗は手びねり(手づくね)で1個づつ、魂を込めて作っていく技法を取ります。
作り手の感性、息吹が感じられる独特の作り方なんです。
窯も現代の大量生産の窯ではなく、炭とフイゴという、江戸時代の楽焼きの焼成方法で焼いていきます。
価値が出るのもわかるよなあ。
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編集後記
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