陶芸の酸化焼成と還元焼成の違い

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前略 行雲(コウウン)より。
本日の埼玉県熊谷市内は薄日のさす曇り晴れ日(造語)。
ちょっと寒いですかねえ。
もう11月ですから、仕方ないですなあ。
昨日は晴天のいい日だったので、寒暖差に体がびっくりしてますなあ。

陶芸の酸化と還元の焼き方の違い

さて、今回はテーマ通り酸化と還元の焼き方の違いを書いてみたい。

酸化焼成ってのは、窯で焼く時に酸素を十分に吸わせて焼く方法。
一方、還元焼成ってのは、同じく窯で焼く時に酸素を制限しながら焼いていく方法。

簡単に分けるとこんな感じです。

作品の大きな特徴としては、酸化はクリアーに焼きあがる。
酸素を十分に吸っているので、きれいに焼けると言いましょうか、色合いがキリッとしてくる。

還元は酸素を制限しているので、簡単にいうと渋く焼きあがる。
年代物の陶磁器のように色合いに変化が出て、釉薬の掛け方によって微妙な変化が出る。

どちらがいいのかは好みの問題だろう。

クリアーな色合いが好きなら酸化で焼けばいいし、渋めが好みなら還元で焼けばいい。
ただ、通常の釉薬を使っての高級感でいえば、還元で焼いた方が高そうな焼き物になる。

酸化での焼成はウチでも年に数回は焼く事があるが、評判はイマイチの事が多い。
色合いが平面的でわるく言うとつまらない焼き物になる。還元を掛けたように変化に富んだ釉薬や素地土の渋みが出てこない。

今まで酸化でしか焼いたことのない人は、一度還元で焼いてみることをお勧めしたい。
多分、自分の作品のランクが一段上がる事になるだろう。

酸化や還元焼成に適したやきものや窯など

酸化で焼いてのチャレンジしがいのある焼き物の種類は天目系。
油滴天目など国宝の焼き物で天目系があるが、これらは酸化で尚且つ窯を冷ます時に時間を掛けて調整しながら温度を落としていく。
テクニックがいると同時に、酸化で焼くのに適した窯を使ったほうがいい。

ちなみに窯の種類で言えば、電気窯は酸化焼成に適している。
電気窯はいいものであれば還元にも対応しているが、電熱線が痛むのと、ややテクニックがいるので還元で焼きたがらない方が多い。
酸化で焼くのが圧倒的に多い窯だ。

一方、還元で焼くのにはガス窯と灯油窯が一番適している。
ガス窯に関しては、ほぼ還元焼くために作られたんじゃないかと思う位、焼きやすい。
もちろん還元焼成特有のテクニックはいるが、極めれば自在に窯をコントロールできるので、ウチでは、ほぼ毎回還元で焼く。

上記でもお勧めしたが、渋みと重厚感が備わった還元焼成は、焼き物を作り始めたら必ず試して欲しい焼き方だ。

ビルなどに入った教室だと防火上のこともあり、火を使わない電気窯が圧倒的に多い。
なので、必然的に焼き方は酸化焼成で焼かれる。

還元で焼いて欲しい場合は、地面の上に直に置いた窯を持っている所だと、やってくれる場合が多い。
陶芸体験などでも、酸化で焼くのか還元で焼くのかを確認してから行くと楽しみが増えるだろう。

酸化焼成や還元焼成の焼き上がりの特徴とその他諸々

酸化で焼いた焼き物をうまく見せるにはテクニックがいる。
釉薬自体が変化しないので、1種類の釉薬だけ掛けたのでは、なかなかいい感じに仕上がらない。
釉薬を掛け分けたり、絵付けをしたりで、表面に変化を出さないといけない。
結構大変ですね。

一方、還元で焼いた作品は1種類の釉薬でも、掛かり方によって微妙に変化する。初心者でも意外とびっくりする焼き物になることも多いのが還元のいい所。

ウチでは陶芸体験に来た人の作品は還元で焼いているので、焼き上がりには満足してもらっているだろうと推測(笑)。

土もプロの陶芸家の使っているものと同じもので焼くので、造形がイマイチでも、上がりはなんとなく高級感があり、使える器になる。

酸化で焼いていた人。ぜひ還元での焼成にチャレンジしてくださいな。
きっと目から鱗が落ちますぞよ。

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