陶芸教室主宰 行雲(コウウン)先生と対談

陶芸教室主宰 行雲先生と対談 「教室選びのコツ」

陶芸やりたいけど、どうやって教室を選べばいいの?
教室選びのコツは?

誰でも思いますよね。

そこで今回はこんな疑問を、行雲(こううん)先生にぶつけてみましょう。



◎◎◎インタビュアー
先生、今回の対談よろしくお願いします。

◎◎◎先生
こちらこそ、よろしくお願いします。


◎◎◎インタビュアー
まず先生、よくある疑問なのですが、陶芸教室を選ぶ際の大事なポイントなどが あれば教えてください。

◎◎◎先生
そうですね。まず自分のライフスタイルに合わせて、 月に何回くらい通えるかを考えましょう。 毎週通いたいのか、月に2回くらいでいいのか。

仕事をしている方で週一休みの人は毎週だとちょっときついですよね。 そういった方は隔週とか月2回位がベターです。

逆に主婦の方で、もう子育ても一段落したとか、 夫婦2人きりで、昼間は比較的時間に余裕があるなんて方は毎週1回は通いたい。

理想は週1ってところでしょうか。 飽きもせず、陶芸の技術も身に付けやすいですから。


◎◎◎インタビュアー
そうなんですか。

◎◎◎先生
それと月会費(月謝)、教室の雰囲気。

ウチなんかは木造ですから、最新鋭のビルとは違います。
工房から1歩外にでると、すぐに土に触れられる。 木のあたたかなぬくもりを感じられる雰囲気。

だから、私の考えではコンクリートの中で作陶するのは、ちょっと違うんですね。 静かな落ち着いた木のぬくもりの中で作陶したい。 土と戯れながら芸術に触れたい。 そんなイメージで教室作りをしています。


◎◎◎インタビュアー
なるほど。

あと、「先生の技量」で決める方もいると聞きますが。

◎◎◎先生
そうですね。その考えは大事ですね。
アルバイトの方が教えているような教室だと、先生の力量に「当たり外れ」があります から。
陶芸をちょこっとかじりたいだけならどこでもできますが、芸術作品を作りたいだとか、他人に見せて喜ばれるような品を作りたいのであれば、しっかりとした技術を持った先生に習った方がいいですね。


◎◎◎インタビュアー
そうですね。どうせやるからには、人に自慢できるような作品が作りたいですものね。

ちなみに、先生の所ならなんでも製作できちゃうんですか。

◎◎◎先生
はい。お任せください。 もちろん本人の力量を見て、もうちょっとロクロの技術を身につけてからとか、 もう3,4回釉掛けをクリアーしてからとかのアドバイスはします。

初心者の方でいきなり「板谷波山の彩磁をやりたいっ」て言われても不可能ですから。
必要な技術が身に付くまで待ってもらいます。


◎◎◎インタビュアー
そうですよね。いきなりプロのような芸術作品なんかできないですよね。
まずはロクロをしっかり学ぶってことが大事なんですね。

◎◎◎先生
そうです。
好きなものを自在に作るためには、ロクロの技術は必要です。

陶芸はロクロだけではなく、手びねり、たたら、ヒモ作り、くりぬき等、いろいろな技法があります。

作家でも、たたらで優れた作品を作っている人はたくさんいる。 だけどロクロの技術を磨かなくては、たたらや手びねりなんかの作品も生きてこないと思うんです。

ロクロはきちんと練習さえすれば、必ず誰にでも思い通りの形が作れるようになります。 これは絶対保証します。


◎◎◎インタビュアー
なるほど。
私もロクロを廻したくなっちゃった。
ちなみに、ロクロができようになると楽しいですか。

◎◎◎先生
楽しいなんてもんじゃないです。
湯のみや茶碗なんかは、ほんの数十秒もあればひけちゃいますから。 友達や家族にプレゼントしても喜ばれるし、ヘタすると知合いから売ってくれなんて 注文もきますからね。 そうなってくると楽しくってしょうがないですよ。


◎◎◎インタビュアー
うわっ、夢が広がりますね。 自由自在にロクロで作品が作れるなんて、素敵ですね。
ちなみに、先生はロクロでどんな作品を作られているんですか。

◎◎◎先生
成型はロクロだけでなく、たたらや手びねりなんかもやってます。
作風はひょうげた形が好きで、子供が遊んで作ったような雰囲気が好きですね。 見ているだけで、癒されるような。そんなイメージです。
ただ、製作の関係上、緊張感のある食器なんかも作らなければいけないので、 いろいろやってます。


◎◎◎インタビュアー
そうなんですか。
主に作られているのはどんな種類でしょうか。

◎◎◎先生
灰釉、粉引、唐津などをメインにして製作してます。

灰釉というのは、天然の木を燃やして灰にし、そこから釉薬を作っていくんです。 樹々の色をやきものに写しとっていくといった感じです。

粉引というのは、白化粧ともいいますが、赤土に白い化粧土を掛けて焼き上げていく技法です。 萩焼なんかもこの白化粧で作られるんですよ。


◎◎◎インタビュアー
あっ、そうなんですか。 萩焼って大好きなんです。

◎◎◎先生
まあ、萩焼といってもいろいろな種類がありますから。白化粧だけでなく、透明釉単身や 鬼萩なんてのもある。 食器だと数少ないけど、茶道具や置き物なんかは名品がありますよね。





◎◎◎インタビュアー
あとは唐津を焼かれるんですか。

◎◎◎先生
そうです。釉薬ものは唐津をやればまず大丈夫ってくらい種類がたくさんあります。 落ち着いた渋い風合いが特長で、高級料亭の釉もの食器は、唐津、作家もの、美濃系のやきものが多いですね。


◎◎◎インタビュアー
そうなんですか。 じゃ私でも通えばいいものが作れるようになるんですね。

◎◎◎先生
そうですね。いつかは作れるようになります。

ウチでは初心者の方は、まず市販の土と釉薬を使って製作してもらいます。 初心者の人には、市販の土と信楽の黄の瀬土の違いはわからない。 クセのある土よりも市販の土の方が成型はしやすいんです。

やがて、ロクロの技術が身に付いてきたら、少しづつ備前土や磁器土、唐津土なんかにもチャレンジしてもらってます。 土の違いがわかるまでは、市販土で充分なんですね。


◎◎◎インタビュアー
なるほど。名品を作るのはそう簡単にはできないんですね。

◎◎◎先生
その通りです。
多分初心者の方でも、私の使ってる材料で、ウチの窯で、私が焼き上げれば、作家と同じ風合いのものはできる。 しかし、造形がともなってなくて、土や釉がいくら優れていても作品とは呼べないんですね。 造形力を身に付けてから、土を変えてもらうのが陶芸の基本です。


◎◎◎インタビュアー
なるほど。奥が深いですね。

ちなみに先生も会員さんと一緒になって製作してるんですか。

◎◎◎先生
私も時間内はいろいろ作業していますが、いつも横の作業場か外の窯場でやってます。
教室内にいない分、余計な気を使わないから楽だと思いますよ。


◎◎◎インタビュアー
先生選びのコツなんてのはあるんでしょうか。

◎◎◎先生
そうですね。頭の柔らかい先生がいいですね。
ロクロって言ったら絶対ロクロじゃなきゃダメなんて頑固な先生だと疲れちゃいますから。
柔軟な発想を持った先生がいいと思いますよ。


◎◎◎インタビュアー
お茶なんかも自由に飲んでいいんですか。 なんか飲食は禁止なのかと思ってました。

◎◎◎先生
ウチは飲食自由です。 何を食べてもいいし、作陶の合い間にお茶やコーヒーなんかも飲めます。
セルフサービスですけどね。


◎◎◎インタビュアー
それは気分転換にいいですね。

ところで・・・。
話はいきなり真面目になっちゃいますが、 、陶芸の教え方はどんな感じなんでしょうか。

◎◎◎先生
最初にロクロの動かし方を教えます。 電動ロクロが作陶のメインですから、ここは結構大事ですね。
もちろんロクロの苦手な人もいますから、そんな方は手びねりやたたら作りで作陶してもらう。 ウチでは、何をやるのも自由ですから。


◎◎◎インタビュアー
電動ロクロは専用のものが使えるのですか。

◎◎◎先生
そうです。専用の電動ロクロを使ってもらいます。 曜日と時間を固定してしまえば、その会員さん専用で使えます。


◎◎◎インタビュアー
それは、安心ですね。

◎◎◎先生
そうなんです。ある意味、自分専用の「縄張り」ですね。 ウチでは居場所を決めたら、他の人には座らせないようにしてます。 もちろん、本人が欠席した時は他の人が使用できますが。


◎◎◎インタビュアー
専用の席があると安心するんですよね。
じゃあ、最初はこのロクロの使い方ですね。

◎◎◎先生
そうです。
最初はぐい呑みやご飯茶碗などを作って頂き、だんだんとレベルアップしていきます。 あまり細かいことは言わずに要所要所でアドバイスしていくといった感じです。


◎◎◎インタビュアー
そうですか。やはり一歩づつゆっくりと上達していく感じなんですね。

ところで先生・・・。
話がちょっと変わって、「陶芸」の魅力を聞きたいんですが。

◎◎◎先生
そうですね。いろいろあると思いますが、やっぱり土を触って形を作っていくってのは、 何万年も前から行われてきたヒトとしての本能だと思うんです。

土をこねて、手で食器やら置き物なんかを作ってると、頭が無になるんですね。 集中力がピークになるような、何かを考えているんだけど何も考えていない、そんな感じになります。悩み事なんかどっかに置き忘れちゃいますよ。

また、作った作品は焼いてみないとどうなるかわからないってのも面白いです。
絵画なんかだと完成の瞬間は自分でコントロールできますよね。 ところが陶芸は最後に窯に入れて、炎の力で焼き上げないと完成しない。 窯出ししてみないと作品がどうなるのかわからない。自分の力じゃどうにもならないっていう、そこが一番の楽しみですね。


◎◎◎インタビュアー
なるほど。

◎◎◎先生
大人になるとそうそう楽しい事ってなくなるじゃないですか。
毎日が単調でこれといった変化がない。これはある意味いい事なんだけど、 刺激がないと言われればそんな気もすると。

ところが陶芸やってると毎回焼き上げた作品と出会う楽しみがあるんですよ。 自分で成型して釉掛けして、自分ができるのはそこまで。 そこから先は炎の力に任せてしまう。 完成した作品と出会って、がっかりしたり、やったーって喜んだり。 この楽しみは体験した人じゃないとわからないですね。


◎◎◎インタビュアー
うわっ、なんか楽しそうですね。

◎◎◎先生
それでできた作品を友達やら知合いに見せて、また喜んでもらう楽しみ。 いい作品ができたら友達なんかにプレゼントすると喜んでもらえますよ。 それを見てまたやる気が出るんです。


◎◎◎インタビュアー
なるほど。自分だけの満足じゃなくって、人にも喜んでもらえるんですね。
確かに日常使う食器なんかは人にあげると喜ばれますよね。
じゃ、ぜひ私も陶芸チャレンジしてみます。


それでは、話も押し詰まってきたところで、最後に先生から一言どうぞ。

◎◎◎先生
はい。
ウチのモットーとして多くの方に陶芸という芸術を体験してもらいたい。 ロクロが廻せたり、できた作品に出会う瞬間なんかホントに楽しいですよ。 違う世界がきっと見えてきます。

私自身は会員さんの作品を絶えず焼いて、常に見ています。
実力が上がってきたらいろいろな土や釉にチャレンジしてもらうので、ご安心ください。
唐津、美濃、信楽、備前、楽など、産地にある伝統的なやきものの全てを作れるようになります。

ためらわずに、まずは一歩を踏み出してください。
全てはそこから始まります。


◎◎◎インタビュアー
長い時間、ありがとうございました。

◎◎◎先生
こちらこそ。ありがとうございました。


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