陶芸の酸化焼成、還元焼成の違い

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陶芸をやっているとよく聞くのが、酸化焼成と還元焼成という言葉です。
略して酸化、還元なんて言い方をします。

厳密にいうと、他にも中性炎、炭化焼成なんてのもあります。

何が違うのかと言うと、焼き上がりの作品の質感が変わってくるんですね。

同じ土、同じ釉薬を掛けても、焼き方の違いで、全然違う色、作風になってしまう。
ここらあたりが陶芸の面白いところなんです。

今回は酸化と還元焼成の違いを具体的に見てみましょう。

陶芸の酸化焼成とは

まず焼成の基本となるのが、この酸化焼成。

酸素をたっぷりと取り入れて焼く焼き方です。

焼き上がりはクリアーに仕上がります。
色自体は単一で、これといった変化はないのですが、きれい目に仕上がるので、まずはここから経験してみましょう。

酸化の場合は釉薬の色合いに飛び抜けた変化が出ないので、ある意味わかりやすいです。
色見本の通りに焼けてくるので、計算がたつ焼き方でもあります。

但し、単一に焼ける分、変化を出すには掛け分けをしたり、こすったり、違う色を掛けたりなどの一手間が必要になります。

酸化焼成の代表といえば、織部、黄瀬戸などがあげられます。

これらの焼き物は、基本的には酸化で焼かないと、いい色合いにはならないものです。
まあ、今は還元で織部になったりの釉薬も出ているので、便利な時代にはなったものです。

基本は、織部や黄瀬戸は酸化で焼きましょう。

但し、これも作家レベルになるとちょいと還元にふったり、中性炎にふったりと、いろんな焼き方をしてきます。

織部の配合する銅も数パーセント違いで変わってくるので、いろんな種類の織部をテストで焼いて、土との相性をみたりします。

普通の酸化で焼いた織部では満足しなくなるんですね、作家ってやつは。

黄瀬戸もしかり。
基本は酸化焼成ですが、普通に酸化で焼かない人も多いです(いや、酸化で焼く人も多いです。好みですかねえ)。

普通に酸化で焼いた黄瀬戸はきれい過ぎて面白くないんですね。
まあ、造形に勝負をかけてる作家は焼き方にはこだわらない人も多いので、普通に酸化でOKなんてこともあります。

結晶系の天目なんかを作るのなら、酸化で電気窯がベストでしょう。
電気窯はプログラムコントローラーが付けられるので、温度を下げながら焼く時に便利です。

データも取りやすいので、どの位の下げ具合で結晶がどうなるかとかの情報を計算しやすいですね。

酸化に適した焼き物を選ぶのならおすすめです。

最初は酸化焼成。
この焼き方は基本中の基本なので、まずはここから経験してみましょう。

陶芸の還元焼成とは

還元焼成とは窯に入る酸素量を少なくして焼く技法です。

陶芸窯にはドラフトやダンパーと呼ばれる酸素の量を調整する装置が煙突付近に付いています(電気窯は除く)。

この装置を操作して酸素の吸入量を調整していきます。

焼成には酸素が必要ですが、その酸素を少なくすると、作品の土や釉薬中に含まれている酸素を使って焼くことになります。
結果、作品の表情に変化が現れるのです。

焼成中は一酸化炭素が出るので、窯の換気には注意を払います。
初心者の方は、先輩や先生について還元の焼き方を練習してからでないと危険ですので、注意しましょう。

まあ、ある意味完全な外で焼くのなら、換気はバッチリですから、理想は外で焼くのが一番です。
ここら辺も先輩や先生に付いて教わっていきましょう。

さて、還元焼成も強還元、弱還元などいろいろあります。
窯の炎を見る色味穴から還元時は炎が吹き出るのですが、ここの長さを調整することで、還元の度合いを変えることができます。

焼き上がりも土と釉薬の相性によって、強めに還元をかけた方がいい場合もあるし、逆に弱めの方が雰囲気のいい作品になったりもします。

こればっかりは、その土と釉薬に合う焼成方法を何度か焼いてテストしてみないと何とも言えません。

そこが陶芸の面白いところでもあるんですね。

還元に向いている釉薬は灰釉、青磁、化粧系なんかでしょう。

灰釉なんかは、還元をかけないと薄黄色に上がって、ねらった緑系の色合いになりません。

薄黄色の灰釉がわるいとは言いませんが、やはり還元をかけた独特の緑色が欲しいものです。

登り窯や穴窯で薪をくべて焼いた時の灰被り。これに近い色合いを出すのが、灰釉の醍醐味のような気がします。

化粧系も然り。
酸化で焼いた化粧はきれい目に上がり過ぎます。これもわるいとは言いませんが、やはり還元を掛けた若干渋めのある化粧の方が、長く愛せる器になるかと思います。

陶芸の酸化焼成、還元焼成の違いのまとめ

陶芸作品の焼き方は、大きく分けると、酸化焼成と還元焼成に分けられます。

酸化焼成はクリアーに焼き上がり、還元焼成は渋めに焼き上がります。

焼き方としては、酸化の方が楽で、還元は窯に流入する酸素の量を調整する分、手間がかかります。

どちらがいいかは好みの問題で、自分のねらった作品に適した焼成方法を選ぶべきです。

例えば、きれいめに仕上げたい、天目系の結晶を出す釉薬を使いたいとかなら、酸化焼成を選びましょう。

一方、作品に渋めを加えたい。高級感を出したい。薪窯のような風合いが欲しいなら、還元焼成を選びます。

もちろん他にも中性炎で焼いたり、炭化焼成をやったりの方法もあります。

どれがいいかではなく、自分の作りたい作品を焼くにはどうすればいいか。
そこから、焼き方を選んでいきましょう。

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