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映画「線は僕を描く」のかんたんなあらすじ
映画「線は僕を描く」を見てみました。
いい映画でしたね。
水墨画を通じて人の成長を描いた作品といった感じでしょうか。
簡単なあらすじです。
主人公の霜介は、水墨画の展覧会の設営バイトで、とある作品を見ます。
そこで、目に留まる一つの花の作品の前で涙します。
それを見ていた水墨画の大家、湖山は霜介に弟子入りを勧めます。
当初は断っていた霜介ですが、次第に水墨画の魅力に目覚め、湖山の生徒からスタートします。
霜介は湖山の孫の千瑛とともに、水墨画の修練に励みます。
つらい過去のあった霜介ですが、たくさんの人たちとの出会いの中で、少しづつ自分を取り戻していきます。
あらすじここまで。
映画のストーリーとしては、見てても気持ちのいい位のテンポ感で、役者陣も良かったですねえ。
江口洋介さんも兄弟子?っぽく出ていて、ほとんど描かないので、何者と思ってたんですが、実は…。
さて、そんな素敵な映画でしたが、このブログでは、水墨画と陶芸を照らし合わせて書いていきます。
水墨画の四君子とは。陶芸だと何なのか。
映画でも出てきますが、水墨画の題材で「四君子」というのがあるそうです。
これは中国の伝統的な花を主題とした水墨画の中で、特に重要な位置を占める四つの植物を指すそうです。
花の種類は
梅、蘭、菊、竹。
この四つ。
映画ではまずこれらを描くことで、水墨画の技術を習得していく。そんな感じになっています。
陶芸で言えばなんでしょうね。
まず造形で、ぱっと四つ思い浮かぶのは、
湯のみ、茶碗、袋もの、蓋もの。
そんな感じでしょうか。
湯のみ、茶碗は造形の基本中の基本。
また、袋ものや蓋ものはある程度の腕が上がらないと、なかなか良いものは作れないですね。
釉薬で言えば…。
種類が多すぎて四つに絞りこむのは難しいですね。
しいて言えば、
織部
青磁
白化粧
んーん。
まあ、ここら辺は後で直接生徒さんたちに伝えましょう。
水墨画と陶芸。2つの異なるアートだが。
水墨画は墨と筆、そして白い紙だけを使って表現される日本の伝統的な絵画の形式です。
一方、陶芸は粘土を手や道具で形成し、焼くことで作られる工芸美術品。
この二つのアートは、一見異なるように感じられるかもしれませんが、何点かの共通点が存在します。
映画を見ていると、水墨画は感情や想いを、筆の動きひとつひとつに乗せて描いていきます。
陶芸も同様に、作家の手の動きや圧力がそのまま作品に反映され、粘土に触れることで感情が形になって現れます。
また、水墨画や陶芸は、古くから伝わる伝統的な技法と新しい技術が融合されて作品を作っていきます。
伝統的な作品を中心に作っている作家も多いですが、過去の技法にあたらしい何かを加えることで、オリジナリティを出す作家も多いですね。
両者の表現には、その背後にある心の動きや表現方法など、共通点が多いです。
アートは形や手法に縛られるものではなく、それを超えたところに真髄(しんずい)があるのかもしれません。
水墨画と陶芸、アートの中の情熱と伝統
日本の伝統芸術の中で、水墨画と陶芸は、それぞれ独自の美しさと奥深さを持つ表現形式として長く愛されてきました。
これらのアートは、単に技巧や技法に留まらず、製作者の情熱や魂、そして日本の文化や歴史を反映しています。
水墨画は、その名の通り水と墨を用いて描かれるアートです。
しかし、それだけでは語り尽くせない奥深さを持っています。
紙一面に情熱を注ぎ込み、墨の濃淡、筆の動き、そして心の中の景色を紙の上に映し出します。
一筆一筆に、アーティストの心情や想いが込められ、その結果として生まれる作品は、強いメッセージや感情を伝えています。
一方、陶芸は土を形にし、火で焼き固めるという過程を経て完成します。
陶芸家は、自らの手で形を作り上げることで、物質としての土の持つ可能性を最大限に引き出します。
そして、その作品は使用する人々の生活の中で、新たな価値や意味を持つことがあります。
陶芸品が持つ温もりや質感は、作家の情熱や愛情、そして技術の結晶とも言えるでしょう。
これら二つのアートは、異なる方法で表現されますが、作り手の情熱や伝統を大切にしながら、新しい価値や意味を生み出す点で共通しています。
そして、それぞれのアートが持つ歴史や背景、技法などを学ぶことで、より深く、その美しさや価値を理解することができるでしょう。
線と造形と色、水墨画の奥深さと陶芸の温もり
日本の伝統文化は、そのシンプルな表現に隠された奥深さで知られています。
中でも水墨画と陶芸は、それぞれ「線」と「造形と色」を主軸としたアートとして、数世代にわたって愛され続けています。
水墨画は「線」の芸術とも称されるでしょう。
墨一つで生み出される様々な線の太さや流れは、画家の心情や景色の描写を深く感じさせるものです。
水墨画では、繰り返しますが、墨の濃淡や筆の筆圧、速さによって異なる表情を持つ線を描き出すことができます。
それによって風や水の動き、生物の息吹、さらには季節の移り変わりまでをも表現することができるでしょう。
シンプルであるが故の奥深さが、このアートの最大の魅力と言えるのではないでしょうか。
一方、陶芸は「造形と色」の芸術として捉えられることが多いでしょう。
特に色については、土の色合い、釉薬による変化、さらには焼き加減によって生まれる微妙な色の違いが、陶芸品一つ一つに独特の温もりをもたらします。
作家が手を加えることで生まれる土の造形は、その色彩と相まって、私たちの心を温め、感動する作品を作れる時があります。
それはまるで、大地の色と炎の熱が交わって生まれる一瞬のアートのようにも見えます。
水墨画の「線」と陶芸の「造形と色」は、それぞれのアートの中で不可欠な要素として存在しています。
そして、これらを通じて、日本の伝統文化の深さや豊かさを感じ取ることができるでしょう。
線と造形と色、これらの要素が織りなす日本の伝統アートは、今もなお、私たちの心に新しい風景を描き続けているのではないでしょうか。
映画「線は僕を描く」から水墨画と陶芸に通じるものはのまとめ
映画「線は僕を描く」を見て、水墨画と陶芸の通じるものを列挙してみました。
同じアートとして、それぞれの技法は違えど、作品の先にある何かは共通点があります。
紙と墨。
土と炎。
これらの織りなすアートは、これからも多くの人々の心に、感動という息吹を感じさせてくれるでしょう。
最後に師匠の湖山が弟子の千瑛に贈った言葉で締めくくりましょう。
「ついに自分の線を見つけたな」
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